バタバタバタバタ。
どこだ。
探してもその姿は見つけられない。
どこにいるか、
それよりも重要なのが
ナニモノか、である。
それが虫であろうことは明らか。
虫が、壁か何かにぶつかってもがいている。
虫。
といってもさ、
いろいろいるじゃない?
最悪の場合を想定して、恐る恐る戸棚を開けたり
あちこち探してみるものの、発見には至らず。
きっと疲れてるんだろう。
夫によるストレスで、居もしない虫の羽音が聞こえているんだろう。
そう思うことにして一日過ごし
夜床に就く前、ふと天井を見ると
トンボがいた。
体が細い、イトトンボ。
静かに天井に捕まっている。
羽音がの正体がトンボとわかり、安堵してすっと眠れた。
翌朝、手の届く位置にいたので
そっと捕まえ、窓から逃がした。
以上はお盆の出来事。
誰かがトンボに姿を変えて、訪れてくれたのではないか
そんなふうに思った。
誰だろう。
私は、先代犬ではないかと思う。
一日うちで遊び回って、帰っていった。
そう思ったら、少し心が安らいだ。
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